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ヒトトヒトサラ

あの店のヒトサラ。
ヒトサラをつくったヒト。
ヒトを支えるヒトビト。
食にまつわるドラマを伝える、味の楽園探訪紀。

ヒトトヒトサラ21 / TEXT+PHOTO:嗜好品LAB ILLUST:山口洋佑 2015.09.30 目黒区鷹番「外海」田島奈賀子さんの「ハムエッグごはん」

目黒区鷹番の季節酒肴処「外海(そとめ)」をきりもりする田島奈賀子さんの声には特徴がある。おっとりとしたペースとトーンは女性らしい丸みと優しさに満ちているが、それでいて、ときに辛辣なまでの本音をあっけらかんと吐き出したりもする。マナー違反や重度な酔っ払いには般若の形相で切り捨てる。そのギャップはなんとも魅力的で、カウンター8席の店内には、いつも気の置けない酔客たちの笑い声があふれている。
日替わりのメニューを見れば、刺身に天ぷら、餃子にカレー、長崎ちゃんぽん。この狭い厨房のどこからどうやって?  と驚かされる、クリエイションとバリエーション。そのすべてに定通する安らぎの味には、実家・長崎の母の血、また、自由が丘の割烹居酒屋「金田」での修行時代が溶け込んでいる。
取材は開店の3時間前。メニュー書きの手を止め、「すみません! 話の前に貝割れだけ買ってきていいですか? ダッシュでいってきますんで!」と奈賀子さん。そうなのだ、本当に愛すべき店、そして店主なのだ。

大学ノートに書きつけた、妄想の店。最近は「ミラクル!」と驚かれてます

田島奈賀子さん。 この日のお通しはたっぷりの白和え。もったりとした白胡麻の甘みと、ギュッと濃縮された出汁のパンチが酒を誘う。これぞ「飲ませる白和え」だ。 「最初は寂しいメニューでしたね。細っそいボールペンで書いているというのもなんだかかわいそう(笑)。こんな仕込み、今だったらすぐに終わっちゃいますよ」

 お店ではずっと手を動かしていたいんです。それでないと落ち着かないし、時間がもったない。わたし自身が食いしん坊だから、たくさんのメニューから迷う喜びとか、あれもこれも気になるという贅沢感のことはとてもよく知っていて、買い物、メニュー書き、仕込みと、やらなくちゃいけないことがとにかくたくさんあるんです。だいたい2年目ぐらいから「メニューが多いね」なんて指摘され始めて、最近では「ミラクル!」と笑われてます(笑)。メニューが多いということは廃棄のリスクも高いということなんですけど、そもそも◯◯をつくりたいから◯◯を買ってくる、みたいな料理はしてこなかったし、冷蔵庫にあるものを工夫するのが楽しいタイプなので、それでもなんとかなるものなんですよ。

 こんな話をしながらも、奈賀子さんの筆ペンは走り続ける。魚料理、一品料理、おばんさい、肉料理と、みるみるその尾を伸ばしてゆくのだが、これが、下書きがないのが不思議に思えるほどの猛スピードで。

 メニュー書きは「赤ペン先生」と同じです。書いていくとどんどん慣れていくものなんですよ。あと、わたしはこの店を始める前から「妄想メニュー」というのをしょっちゅう書いていたので、現実のメニュー書きもその流れでやってるような感じはありますね。わたしは長崎で育ったんですけど、実家がかなりオープンな環境で、よく外国人のお客さんが遊びにきたりもしていたんです。その影響もあって、うち母はキッシュとかタコスにまでチャレンジするようなプロ顔負けの主婦兼料理人だったんですね。わたしもそういう台所を見て育ったせいか、いつかは自分でも料理をやりたいと思い始めて、ある時期から大学ノートに自分のお店の妄想みたいなものを書いて遊ぶようになったんです。
 歴代のメニューですか? もちろんとってありますよ。うちはまだ4年目なんですけど、それでもすごい量になってます。こないだふと開店初日のメニューを見直す機会があったんですけど、なんだこりゃ! って。あまりにもスカスカで笑ってしまって、思わず携帯に保存しました。

 この厨房も、開店当初に比べたらすごく動きやすくなってます。半歩ですべてに手が届くのがいいですね(笑)。冷蔵庫もだんだんと増えていって、今は店内に3つ。外にもひとつ。わたしの場合は最初から豪華な設備があったらここまではできてなかったと思いますね。自分のやりたいことに応じてゆっくりと育ててきたお店だからこそ、こうして開けていられると思うんです。

冬瓜の厚揚葛煮。

 ここで「冬瓜の厚揚葛煮」をひと口。爽やかな青柚子の香りも楽しい「噛むジュース」のような出来栄え。カウンターの大皿にてジックリと味が染み込んだ、見た目も美しき半透明のおばんざいだ。

 冬瓜は身体の熱を奪ってくれるというので、最初に食べてもらうにはいいかもですね。お刺身は活〆のコチです。すごく上品で美味しい魚ですよね。お刺身は、いつも3品ぐらいは置くようにしてます。そこに、蛸とか海老なんかの食感の違うもの。春なら貝も加えて。ここは小さな店だから、季節ものを出すというのは基本ですね。山菜なんかもよく出ます。鰯はすごく脂がのっているのでたたきにしてみました。うちはいつも茗荷と貝割れと大葉と葱を刻んだ薬味をつくっているんですけど、これが万能。わたしの料理はこういう仕込みが8割ぐらいの感じでいますね。

コチの刺身。「醤油はチョーコー醤油という長崎人が大絶賛する醤油です。同級生に出したらすごく喜んで、その時は長崎弁が飛び交いました。わたしたちのソウル醤油ですね」
いわしのたたき。
外海の鉄板薬味とともに、シャリシャリトロトロと味わう。

 常連さんからのリクエストで生まれたメニューというのもいっぱいありますね。うちのお客さんは面倒なんです。本当にうるさいから、あの人たち。まるで親戚のおっちゃんを相手にしているみたいなんですよ(笑)。「オレンジ色の安くて薄いハムでハムカツを食べたい。これでつくってくれ」なんて頼まれたり、いつもあーでもないこーでもないと文句を言われてますね。それも10日もすると飽きられて、また次。そこはもう、戦いなんです(笑)。そうやってどんどんメニューが増えていくんですよ。

 そんな常連たちとのやりとりから生まれたのが、ポテトサラダ。キャベツとコンビーフがたっぷりと入った外海のロングセラーだ。

680円で2品を選べるおばんざいメニューから、ビール党悶絶の逸品、キャベツとコンビーフのポテトサラダ。コンビーフがツナなどにアレンジされる日もある。

 料理って、多少はほか人のレシピを真似したりとかありますけど、これはゼロからつくりました。こういうお店にとって、ポテトサラダが美味しいというのは重要ですよね。だからいろいろと試行錯誤していたんですけど、ある日常連さんが「コンビーフが食べたい」と言い出したんです。ふつうの飲み屋さんでは使わない「昔もの」の味。それで玉ねぎとキャベツとコンビーフで野菜炒めをつくってるうちに、ここにマッシュポテトを加えるのはどうだろうと思いついたんですね。
 ……でも怖いですよね。世代交代じゃないけど、ある晩に若い子がやってきて、「先月親父が亡くなりました。献杯してくれませんか?」みたいなことを頼まれてもね。そこから「お父さんはポテトサラダが好きでしたよ」なんてドラマみたいな流れになると、さらに恐ろしい(笑)。

「歳上に愛されるタイプなんですね」という質問には、「残念ながらその傾向が強いかと思います」、「でも女子にも人気ありますよね?」という質問には、「まぁオッサンみたいな性格だから」と奈賀子さん。

手羽先の山椒焼き。ホールから砕きたっぷりとまぶされた花山椒の刺激!
「お酒は日替わりの冷酒やビール。でも、うちで一番出るのは焼酎の緑茶割りなんです。オジサンたちはこの味が落ち着くようで(笑)」 トマトががっつりと主張した、辛くて甘い「茄子ドライカレー with バケット」。ジャージャー麺やナポリタンを連想させる、レトロモダンな新味の発見。ここにも外海流家庭料理の冒険心が感じられる。「たまたま今日のはドライカレーですけど、あえてゴロゴロの〈おうちカレー〉をやるときもありますね」

 この取材が決まったことをオジサンたちに話したら、「その日だけめちゃくちゃ厚化粧で接客しろ!」だとか「フリルつきのシャツでやれ!」だとか「逆に割烹着買ってあげようか?」みたいに散々からかわれました。でも、それでわたしもずいぶん笑わせてもらったので、もうこの店のことはどう紹介されてもいいんです。こういうネタはお金じゃ買えないものですから、早めに(取材を)切り上げてくださっても構いませんよ(笑)。
 うちはそういうオジサンならではのギャグみたいな話がたくさんあるんです。「さっきは入れなかったから先に病院いってきた」と飲み始めて、そしたらあとで病院の先生がその人に薬を届けにきて、結局はその人と先生が隣同士で飲んでるとか(笑)。もう、落語みたいですよね。

 今では常連さんとうちの父がいっしょに飲んだりもしてますからね。うちの父は…… まぁ、いろいろ心配しながらも今は認めてくれてるのかな。お店を始めるときは「絶対に保証人にはならん!」と怒られたし、理数系の父だったので「客単価をきちんと出せ!」みたいに言われましたけど、素人のわたしがそんなことできるわけもなくて。
 親には頭があがりません。大学のためにこっちに出してもらって、私立の英文科なんかにも通わせてもらったのに、わたしは音楽が好きなものだから、卒業後はライヴハウスで働くとかプラプラしていて、ようやくわたしが物件を探し始めたのは震災の後。まだいろいろと不安定だった頃で、とくに女ひとりでの商売に対しては不動産屋さんも厳しかったんですけど、運良く「水商売じゃなく、きちんとした料理店をやるのであれば貸す」という方に出会うことができて。
 学芸大学は「村」みたいですよね。駅を起点に2本の商店街が伸びていて、そこからの細道にもたくさんいい場所があって、結束も強い。いい場所を見つけられたなって思ってます。思えばこの未知の土地でこれまでやってこれたのは、どんどん増えていった冷蔵庫といい、メニューといい、この店を大切に思ってくださるお客さんと、負けず嫌いで欲張りなわたしの性格が合致したからだと思うんですよ。たぶんそれが外海の歴史のすべてですね。

「板場に女性を入れるのは初めてだね」外海の味を育てた「金田」の板場

 そんな奈賀子さんの料理の基本は、目黒区・自由が丘の名店、「金田」の板場にあった。昭和11年創業の割烹居酒屋であり、日本全国からの客足が途絶えることのない、大人の止まり木だ。奈賀子さん、面接の日のことは覚えていますか?

 覚えてます覚えてます! ペラペラの履歴書を持っていって、ゆくゆくは独立して自分の店を持ちたいという意思も伝えて。そうしたら、今の金田を経営されている三代目のお父さん、先日亡くなられた二代目の金田社長が、その日に「じゃあ来月から」と即決してくださったんですよ。「もう70年ぐらいやってるけど板場に女性を入れるのは初めてだね」と話されてましたね。すごく筋の通った人格者の方で、うちの両親にも「お嬢さんをお預かりしています」と手紙を書いてくださったようです。いざわたしが独立するときも、「女ひとりでやるのは危ない」と実の親のように心配してくれたのを覚えてますね。
 もちろん板場での経験も印象的なことばかりです。あんな老舗ですけど、魚を触らせてもらうまでに何年とかじゃなくて、初日から「どんどんやれ」と野菜を切らせてもらえて、すごく家庭的な雰囲気でしたね。もしあそこでの経験がなかったら、絶対にこの店はなかったでしょうね。わたしが辞めた後も本当によくしてくださって、築地まで先輩の車に乗せてもらっていたこともありました。

現在の「金田」。

 金田さんから流れてくれたお客さんも多いせいか、うちのお客さんは飲み方をわかってる人ばかりですね。みなさん本当に上品です。そういう人にはゆったりと楽しんでもらいたいので、基本的に4名以上のお客さんにはご遠慮いただいてますね。どうしても声が大きくなってしまうし、ひとりとかふたりでフラッと飲みにきてくれた人の大切な時間というのを守れなくなってしまうので。
 出禁客ですか? あ、たまに酔っぱらってスイッチが入ると急に強気になっちゃって、隣のお客さんに絡み始めちゃう人なんかはいますけどね。ただ、その人は毎晩じゃないから見極めが難しい。ハッキリ「もうこないで!」と突き放したもあるんだけど、べつの常連さんから、どこどこのカウンターで静かに飲んでたよ、なんて情報が入ると、その人の「かわいい反省」を見たくなってしまう(笑)。結局その人の場合は罰金制にしたんですけどね。ひどい暴言を吐かれて、「許せん! このままじゃ帰せん!」と思ったときに、商売繁盛の熊手に1万円を献上してもらいました。もちろんあくまで自主的に、です(笑)。それがこないだとうとう4万円も溜まってしまったので、それを援助にエアコンを新しくしたんですよ(笑)。この狭い店に26畳用の「白くまくん」が入ったんです! だからそろそろちゃんぽんも復活させようかと思っていて……。

 取材は8月。猛暑日が続いていた。奈賀子さん曰く、高性能エアコンと長崎ちゃんぽんはふたつでひとつの存在なのだとか。

 この暑さで仕込むと死んでしまうんですよ。大きな鍋で鶏ガラの出汁を炊いてたら熱中症みたいになっちゃって、外は昼間で37度もあったのに、この店を出た瞬間に、「あぁ涼しい!」って(笑)。

 長崎で育った奈賀子さんにとって、ちゃんぽんは特別な思い出。しかし外海のちゃんぽんは、「田舎の味」をめざしたものではないという。

 うちのはまったくの自己流ですね。そもそもわたしの思い出の味というのは「リンガーハット」ですからね。あそこからパクるわけにもいかない(笑)。長崎県人はあの店のことを誇りに思ってますよ。わたしが住んでいた頃はまだお小遣いで食べられたし、あの味に育てられたといっても過言ではないです。たとえば横浜の人だったら、「崎陽軒は崎陽軒」じゃないですか。あれはシューマイというよりも「崎陽軒という食べ物」ですよね。「(日清の)カップヌードルはカップヌードル」みたいな感じで、新製品が出てきてもそれを跳ね除けてしまうぐらいに身体に染みついた味なんです。……長崎は本当にいいところですよ。人もいいし、土地もいい。「外海」というお店の名前も、わたしがよく遊びにいっていた土地の名前から貰ったものなんです。遠藤周作の『沈黙』の舞台になった場所で、よく夕陽を見にいっていたんですね。
 今日はちゃんぽんは出せませんけど、皿うどんならすぐできます。食べますか? 長崎の人は、お酒を飲んでるときは皿うどん。ちゃんぽんは昼ごはんの定番なので。

野菜や魚介の味が大皿いっぱい充満。バリバリのままでもシナシナになっても素晴らしい皿うどん。
「東京の人は辛子とお酢で五目ソバっぽく食べますけど、長崎人は金蝶ソース。ドバドバとかけてつまみにするんです」

 こ、これがデカい! そして旨い! フライパンにブジャー!っと加えられる貝柱と干し海老のスープ。長崎人号泣の「赤と緑のかまぼこ」もしっかりと添えられている。

 これだけは絶対に譲れませんね。この色がないと寂しいし、もはや皿うどんとは呼べないのでは? ぐらいの存在。これだけで食べても美味しいものではないし、使い道としては他にないんですけどね(笑)。

「料理研究家」の方っているじゃないですか。むしろわたしは「料理中毒家」なんです

 続いては今回のヒトサラ。メニューの中でも異彩を放つ「ハムエッグごはん」だ。調理方法は、少々硬めに炊いたどんぶり飯の上に、ハムエッグを乗せ、うっすらとスパイスをふりかける、のみ! 奈賀子さんは「本当にこんなのでいいんですか?」と謙遜するが、なぜかこれがリピーター続出の中毒性を誇り、シンプルなものほどそれをつくる人の気持ちや人間性が伝わるのだと感激させられる。

 これはわたしのイタズラ心から生まれたものですね。すごく新鮮で美味しい卵を戴いたことがあって、それで卵かけ御飯を出してみたら、みんながパクパク食べるものだから、これをハムエッグにしてみても美味しいだろうなって。

 そしてこのメニューにも、外海のスタンスや心意気を感じさせるエピソードがあった。

 このメニューがきっかけで、わたしはあるお客さんに説教することになるんです(笑)。わたしのハムエッグ観というのは、白身が固まって、黄身は半熟で、お皿の上で斜めにしたときにゆっくりタレてくる、 でもタレすぎもしないバランスというのがハッキリとあるんですね。だからこれを出すときは、必ず卵の焼き加減を訊くようにしているんですけど、そのオジサンは「そんなのなんでもいい」って。わたしは「もう信じられない! ホントになんにもないの?」と驚いて、「卵の硬さぐらいはポリシーをもったほうがいいよ」と諭しちゃったんですね(笑)。そしたらその言葉がほかのお客さんのツボに入って、そこからちょっとした卵会議になって……。わたしはそれこそ鯵フライひとつに何をかけるかで1時間ぐらい話せるタイプだし、こと家庭料理に関してはすべてにひと言あるんです。

夢中で半熟の黄身を突き崩す「ハムエッグのせごはん」。「調味料は醤油でもソースでも塩胡椒でも人それぞれの自由だと思うんですけど、黄身の硬さぐらいは……ねぇ?」と奈賀子さん。また、下の写真はカウンターの大皿に盛られた「たまご巾着含め煮」。茹で卵を油揚げに包んだのちに煮たもので、シンプルなようだがここでの半熟具合にも奈賀子さんの「黄身愛」が光っている。

 そんな奈賀子さんに、家庭料理のコツを訊いてみた。なぜなら、ここまで外海の料理を味わい気づいたことは、味の中心にある、芯のようなもの。日々増えてゆくメニューも、すべてはこの芯であり基本に支えられていると感じたからだ。

 本当にその通り! 基本さえできていれば、ジャンルを問わずいろんなものがつくれるようになるんです。まず、正しく包丁が使えること。季節を考えた素材を選べること。出汁をとれること。すべてがその組み合わせと応用です。そういう意味では音楽に似ている部分もあるかもしれないですけど、料理は毎晩結果が出るのがいいんですよね。音楽なんて、練習して、レコーディングして、発表して、そこまでファンの声も入ってこないかもしれなくて(笑)、すごく厳しい世界だと思うんですけど、料理の場合はすぐに「美味しい!」という声を聞ける。本当にいい仕事だと思います。だから、お店は全然飽きないですね。こんな趣味みたいなことで生活できるというのもうれしいなぁって。
 世間には料理研究家って人たちがいますけど、むしろわたしは料理中毒家! 全然病気! お惣菜売り場なんかをウロウロしていても、いちいち「この取り合わせはすごい!」と足が止まってしまうし、長崎に帰省したときも、母とキッチンの取り合い(笑)。でもそうじゃなかったら毎日ここにはいられないと思います。

 店内BGMにセレクトされているのは、長年の大ファンだという山下達郎や70年代ロック。自分なりのスタンダードを聴きながら、中毒とまで言い切れる料理に囲まれ1日を過ごす。奈賀子さんの横顔には、好きなものを追求し続けることの喜びがあふれていた。

外海 東京都目黒区鷹番3-7-12 ムカサビル1F
電話番号:非公開
営業時間:18:00~22:00
定休日:土・日曜日/祝日

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